秋の大祭
長崎では10月7日から9日まで氏神 鎮西大社 諏訪神社の神様に奉納踊(ほうのうおどり)を捧げます
各踊町(おどりちょう)は7年に1度出番がまわってきて、その踊町ならではの唯一の奉納踊があります
この秋の大祭を「おくんち」といい、長崎県民みなさんが心待ちにしてしています
奉納踊に出演する大人も子どもも、6月くらいから練習を始めます(何ならもっと早くから)
他県出身のわたしは、奉納踊にでる小学生が、学校を平日に早退するのにはびっくりしましたが、長崎では当然というか名誉なことで、たしかに本番を見ると「そりゃ早退するよ」と思うほどの、秋の大祭です
出演されるみなさん一生懸命、というか本当に命をかけているような印象です
また、奉納踊はテレビでも中継されるので、参加している友人が映るのを探し、その真剣なまなざしを見て、いつものチャラチャラした印象とは全く違う一面を見てびっくりします
仕事の合間を縫ってずっと練習してきたのを知っているので、その本番の迫力に感動し、ちょっぴり泣けたりもします
関係者の女性は和装で、初めの2日間は夏のきもので、最終日は暦的には秋になるのでそれ用の着物に着替えてとても華やかです
地元の人が言うには、昔、長崎は出島があって貿易でお金持ちになった商人がたくさんいて、力を持ちすぎないように、幕府がお金を使わせようとしたのが発端だとか
真偽の程はわかりかねますが、いずれにせよ本当に華やかです
変わるもの、変わらないもの
時間は過ぎていく
神様のためのお祭りですから、3日間は交通規制がかかり、出店もたくさん出ます
ちなみに学校関連もだいたい午前中授業のみで、午後から休みとなります
子どもが小さい頃は家族で出店目当てで出かけましたし、思春期になると友人たちと遊びに行くようになりました
残された夫婦でお出かけし、りんご飴など食べながら偶然通りかかった庭先まわりの龍踊り(じゃおどり)に足をとめて、「これから秋がくるね」なんて他愛もない会話で家路についたものでした
むかしは体格の良いお兄さん達がおみこしを担いでいる思って見ていたら
今では、そのお兄さん達より自分のほうが歳をかさねていてびっくりします
守られる伝統
毎年、踊町(おどりちょう)がかわりながらも380年以上もつづいてきたおくんちです
最終日は男衆が神様をおみこしにのせ、神社までいっせいに坂道を駆け上っていく
なんともお祭り好きな神様だし、それを精一杯おもてなしするのも
長崎の人の、気のいい優しい感じをよくあらわしているように思います
この大祭を、今年もみることができてよかった
踊町の皆様お疲れ様でした
長崎はおくんちが終わるとようやく秋とされ、おくんちが過ぎたら長袖やね、みたいなところがあり、そして夏物をしまい、冬の準備もそろそろだなと季節も思う目安だったりもします
祈りの長崎
好きな街
長崎といえば最後の被爆地です
教会やクリスチャンが多く「祈りの長崎」とも言われますよね
県民性もだいたい穏やかな人が多いように感じます
長崎が全国ニュースで必ず取り上げられるのは、8月の平和記念式典がメインです
それは確かに残酷な歴史で、2度ととあってはならないし、これからも世界へ発信していくでしょう
でももう一方で、380年という気が遠くなる年月、独自のお祭りを守り続けていく
7年前、奉納踊を指導していた人が、今回はいなくなってしまって、今回はその人を偲んで、恥じないような奉納踊にするんだというエピソードが毎年かならずあります
もう会えなくなってしまったけれど、その大事な人を思う
そんな亡き人への思いや安寧への祈りが伝わってきます
長崎にとって夏も重要ですが、この10月の秋の大祭も長崎の方にとってはとても大切で、みなさん1度来てみませんか?
ちなみに奉納踊(ほうのうおどり)のアンコールを「もってこーい」といい、そのかけ声がある限り、力の限り何度でも答えてくれる踊町の皆様の心意気にも心を打つものがあります
長崎おすすめ
長崎といえばちゃんぽんですよね
いろいろ豪華なところもありますが、地元の人におすすめされて依頼、わたしが大好きな中華料理店です
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