自分を慰めるもの
猛暑ということもあり、クーラーの効いた部屋でのんびりすることが多くなりました
映画の値段も上がりましたしね
ひとりで過ごしていると楽な反面、自分の殻に閉じこもってしまいます
あの頃、ひとりになるなんて思わなかったなあ
鏡を覗くと、気がつくとひとり、はぐれ猿のわたしがいる
あれ、今日は誰とも話さなかったな
おっと、いけないいけない
この辺で回顧モードは強制終了して、話題の映画にでも行ってみようかな
映画はインターネットで席を予約
前評判の良さに映画を観に行くことにしました
「国宝」です
わたしが映画を観るときは
必ずネットでの予約にしています
今回はトーホーシネマです
- クラブ会員(1年有効300円)からログイン
- 座席を指定しクレジットで決済します
- するとメールに4桁の数字が送られてきます
- 当日、インターネット決済のところで会員証と4桁の数字を入力すれば完了
夏休み等は子どもでいっぱいで長蛇の列に並ばなくてもいいですし、
おひとりさまとしては席選びもできれば端のほうでひっそりと観たい
それも自宅でゆっくり悩んで決められます
デメリットとしては変更はできませんので
わたしは前日の夜に席を押さえるようにしています
映画を観て
田中泯の凄さ
田中泯さんは、映画 「PERFECT DAYS 」にも登場していて
素晴らしかったのを覚えています
主演の吉沢亮さんや横浜流星さんも当然文句はありません
田中泯さんは主軸はダンサーで、
指先まで神経が行き渡ってとても美しかった
ただ立っているだけでも、言葉ではない何かが伝わってきます
その存在感は圧倒的でした
しかも容赦なく映し出されるシワの一つ一つが、
これまでの人生の凄みを感じて、迫力がありました
普段、田中泯さんは田舎でひとり、農業をしながら暮らしているそう
何事も「ひとり」で始末いくことを意識しているそうです
古代、人間は言葉を持つ前は、踊りで感情を伝えていたといいます
ダンサーである田中泯さんは
「死ぬときにね。体に、それじゃお別れね。って言ってスッと終われたらいい」
踊ることで感情を表現してきた人の、
自分の体への慈しみがよく表現されています
わたしも、様々な経験をどうか人としての優しさに変え、
ひとり始末をつけていけますように
「血統か才能」か
「血統か才能」両方あればなにも怖くはないんでしょうけど
つまり、人はないものねだりですよね
嫉妬する時は、自分にないものをその人が持っているときだろうと思います
しかもそれは、いくらお金を積んでも買えないものだったりもします
伝統芸能であればなお、血統がものをいうときってあるのでしょう
競走馬のサラブレットはまさに血統の世界ですよね
遺伝子だけがものをいう
果たして人間はどうなんだろう
人の遺伝子解析がほぼできるようになり、クローンさえつくれるような時代です
ありふれたわたし
それでも自分の中の可能性をあきらめずに、最期の日まで生きたい
人の悲しみに深く共感し寄り添い、喜びは心から祝福できる
自分史上、強く優しい人間になって、
人生を終えられたらなと思います
劇中の「花月」の思い出
映画の冒頭、長崎の料亭が舞台でした
義父が還暦のときにお祝いで親族が集まりました
「ああ、そんなこともあったな」と懐かしく思い出しました
わたしなどの庶民には「花月」はそう簡単に行けるところではなくて、
コツコツと兄弟たちでお金を貯めたのを覚えています
帰りにお土産としておちょこをいただき、感激したのを覚えています
心を震わせるものに自分から出向く
ひとり、家の中にいると安全です
人からあることないこと言われなくてすむし、
家族連れを見て、自分にも輝かしい頃があったと思い出さずにすみます
ひとりは自由だけれど、どうしても興味の範囲は広がりにくいですよね
日本屈指のクリエイターたちの作品を観ることや
外に出て、空の青さ、道端に咲く小さな花、頬を撫でる風に
自分も同じ時間を生きる命であることを、深く感じる
人が努力している姿、自然の成り立ち、それに心が震える自分でありたいなと思う
ひとりになっても感受性を磨く努力位はサボりたくはないなあ
その努力はひとりでもできることが救いです
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