遺品整理を終えて
覚書
売れた値段合計 116,160円
処分費用合計 22,970円
差し引き +93,190円
具体的な処分方法は前編
もっと早くに片付ければよかったのですが
気持ちがついていきませんでした
お金のことだけを考えると、5年前は機材なども新しかったわけです
まあ、遺品に向き合う時間が必要だったのかなと思っています
よくある業者とのトラブル
ちなみにわたしも、遺品整理会社に見積もりしてもらったことがあります
(男性2名でトラック1台分、2階からの運び出し、処分代)で約30万円の見積もりでした
値段も「まあまあお高いな」と思いましたがそれよりも、
夫の書斎に誰かを入れるのが生理的に無理だったので止めた経緯があります
友人が実家の遺品整理をする際に、1軒丸ごと遺品整理業者を入れたそうです
お値段は60万円の予定だったのですが、
作業の途中で「物量が多い」と90万になったと嘆いていました
確かに物量により、人数や用意するトラックの積載量も変わってきます
しかも、途中で止められるわけにもいきませんよね
追加で支払うしかなかったと言っていました
また、業者は他人ですので「もの」に対する感情はありませんよね
それが早く遺品を片付けることに繋がるのですが、
心情としては目の前で「思い出のもの」をゴミとして扱われるのが
たまらなく辛かったと言っていました
また別の友人は、なかなか田舎に帰れずに
Zoomで遺品整理をしたと言っていました
現場で立ち会わなくても済む分、気持ちが揺れなくていいかもですね
ただ、やはり見積もりよりお高くなったと言っていました
業者の選定をうまくすれば良いと思いますが、
今、遺品整理会社もニーズが増して乱立し、玉石混交ですね
無理をしない
遺品整理は無理をしないことだと思います
理想は、故人を知っている人と
あれこれ喋りながら片付けることをだろうと思います
わたしはひとりでしましたが、それには理由がありました
子どもは父親の死を深く悲しんで
今でも納骨堂に行きたがらないからです
子どもの気持ちの整理がつくまで待っていては
わたしがこの世を去る日が着々と近づきます
案外冗談では済まないもので、昨年の病気といい
そもそも明日の命の保証など誰にもありません
そういうことで、ひとりで始めました
どうしても手が付けられないというときには
プロの手を借りるのもいいと思います
お金で解決できるものは、そちらのほうが心理的に断然ラクだと思います
ただ、ご紹介したような、業者のトラブルも残念ながらあります
良い業者を選定することが肝心です(くらしのマーケットやミツモアなど)
欲張らない
つまり、遺品整理はお金になりません
わたしは友人たちの話を聞いていたので
夫が大事にしていたものをゴミ扱いされたくないなあと
「夫にできる最期のこと」と思い、
種別ごとに整理し処分しました
その際、各方面の業者の方たちとお話をして勉強になりました
- 大型家具(タンスや机など)は、今は住居に収納家具が備え付けてあり
回収に人手とトラックが必要なのでほぼ手出しとなる - 高級な食器類も使用後は価値はないから引き取らない
- 着物や真珠やダイヤモンドも鑑定書があっても高額買取はまず不可能
ではお金になるのは何かというと、金、バーキン、ロレックスぐらいかなとのことでした
まあ、そんなものはうちにはありませんが(笑)
わたしの手で、遺品を片付けて感じたこと
「人は死ねばゴミになる」という書籍を書いた人がいました(伊藤栄樹氏)
衝撃的なタイトルですが、読めば筆者の凄みが伝わってきます
また、若くして亡くなった金子哲雄氏は「僕の死に方」という著書の中で
奥様のことを心配し、残したものはハードディスク2台のみという
徹底的に人生の後片付けをした方でした
死に方は生きざまと同じ、ともいいます
その人が残した物は、その人を表すものだと思います
病気でだんだんと奪われていく自由、終わりに近づく恐怖が増す中
夫はふらりと書斎に行くことがありました
書斎には夫が健康だった頃の
どこにでも行けるパスポートやスーツケース、自身の研究成果、美しい響きのギターがありました
それは夫が生きているという証でもあり、慰める大切なものでした
所有していた膨大な物を処分しながら夫を深く偲び、
腰痛と戦い
お金にはならなくていいんだから、といいながらも、
査定の日にはその金額が気になるという浅いましい気持ちを諌め
もうあちら側にいる義母に、理解が足りなかったなあと反省します
自分の手で遺品を整理をすることで、様々な気持ちをあじわいました
新婚の頃のお互いが交わした気恥ずかしくなるようなカードを
夫は大事に保管していて、
「結婚生活で変わったのは君の方なんじゃない?」となかなか痛いところを突いてきます
夫を構成してきたものを処分し、がらんどうになった書斎に少しだけ泣いて
「さあ、これからは今の自分のために大事に時間を使おう」
切なさと深い感謝、そして未来への希望が夫からの贈り物でした
物はなくなっても、夫とはこれからも一緒に歩んで行くのだと思います
ただ、わたしはできるだけものを少なくして
生活していこうと誓いました笑
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