ふと香る記憶に心が抱きしめられるような瞬間
マッチングアプリという選択

今はマッチングアプリの時代。
70代までターゲット層があると聞きます。
義理の弟も再婚して、人生をリニューアル、
新しい家族と幸せそうに暮らしています。
おひとりさまの友人も、3つのアプリに登録していて「運命の人」に出会うための努力を惜しみません。
たくさん出会えば、自分の感性に合う人に巡り合う確率も上がる。
――確かにその通り。でも、わたしはなぜか一歩が踏み出せません。
夜遊びのススメ

長年の主婦の習性か、
夕方になると家に戻りたくなってしまう。
独身時代のようにバーへ行ってみたいけれど、勇気が出ないのはなぜなんだろう。
でも、「今が一番若い」なら、行かない手はないはず。
夏に増えた体重を気にしつつも、たまにはひとりでお酒を楽しむ夜も悪くない。
誰でもいいと思うのに

出会いがないのは、単純にモテないから?
それとも、心のどこかで亡き夫と比べてしまうから?
25年の結婚生活には、嘘や裏切りもあったのに、不思議と悪い記憶は薄れていきます。
マッチングアプリを開く気にもならないのは、そのせいでしょうか。
新婚時代の記憶

スピッツの「ロビンソン」が流れていた新婚時代。本当に歌のように甘く、何もかもが輝いていました。
その記憶が、いまだにわたしの心に残っているのかもしれません。
きっと、あの頃の「脳内麻薬」がまだ消えないのでしょう。
魔法が解けない

洗面所に置いたままの夫の香水。
雨の日の湿度が高い日にふと香ると、あの腕に抱きしめられた感覚がよみがえります。
思わず後ろを振り返るー
―でも、そこにいるはずもない。
一瞬で香りが記憶を呼び戻し、
「愛されていたなあ」とつぶやいてしまう。
きっと、今でも抱きしめられている。
存在はなくなっても、記憶は香りと一緒に生きている。そんなふうに思うことがあります。
センチメンタルな秋こそ、体を動かす

秋はどうしてもセンチメンタルになりますが、「スポーツの秋」でもあります。
ジムへ行って、有酸素運動と筋トレ、そしてサウナ。汗と一緒に、もやもやした気持ちまで流れていくようです。
感情の整理には、筋トレがいちばんの薬かもしれません。
秋のせい

面倒な感情は、ぜんぶ秋のせいにしてしまおう。
香りや記憶に包まれながらも、わたしは今日も少しずつ前へ。
友人に「ペットを飼ってみたら?」と言われたけれど、留守が多くて難しそう。
だから今のところ、
明日も仕事帰りにジムへ行くのがわたしの日課。
寂しさも、思い出も、秋のせいにしながら。
それでも、
「ふいに抱きしめられているような幸せ」は、
まだこの胸の中で、生き続けています。




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