嫁と姑

香水 思うこと

長年、姑との関係で悩む

川

結婚当初から、姑との関係に悩んでいました

3年前、病気のため、施設で亡くなりました

どうしたらうまくやれたのかな、と今でもふと考えることがあります

おしゃれな人

コスメ

とてもおしゃれな人でした

息子3人で、紅一点だったため「おしゃれは頑張った」というだけはあり

ネイルサロンがない時代に、いつでも自分でネイルをしていました

そして、香水が大好きな華やかな人でした

苛烈な人生

道

姑は幼い頃実母を亡くし、継母に育てられました

後に異母弟が生まれ

当時の女性では珍しく、他県の大学へ進学し

そこで舅と結婚したので、

その後、生涯1度もふるさとに帰ることはありませんでした

HOME SWEET HOME

ホームスイートホーム

 

当時、舅は「仕事」が忙しくほぼ不在

男の子ばかり3人の子どもを、今で言う「ワンオペ」で育て、

「実母が生きていたなら」と何度も思ったそうです

今なら、舅に対し複雑な感情があったのだろうと推察できますが

若い頃のわたしは思慮が浅く、思い至りませんでした

姑に、戻る家はありません

自分の居場所になる温かい家庭を、ほぼ1人で築こうと努力したのだと思います

「妻の役割は男の人が帰りたくなるような、温かい家庭を作ること」とよく言っていました

若い頃はわからなかったこと

結婚

衣装合わせの際、何回ドレスを替えても

姑は納得せず、その表情から「中身のわたしが気に入らない」ことがわかり

悲しくなったのを覚えています

仕事では正当な評価が得られましたが

姑からどうすれば合格点をもらえるのか、見当もつきませんでした

具体的な改善点がまったくわからなかったのです

そうせざるを得なかった背景を考える

棺

姑の遺品整理

姑の若い頃のアルバムを整理しながら思ったことがあります

姑は小さい頃から愛に飢えていたのではないか

自分だけを愛してくれる人を

渇望した人生だったのではないかということです

実母の顔を知らず、ふるさとには一度も帰らず

子供の頃の写真は1枚もない

夫はほぼ不在、初めてできた息子は

「不在がちの夫より、頼りになる存在」だったのでしょう

そして長年「頼りにしていた、夫代わりの息子」は

「結婚」することであっさり自分のもとを去っていく

妻になるわたしは、そんな姑の背景は何も考えずに

ただ幸せそうに、息子の隣でのんきに笑っているわけです

そりゃあ、どんなドレスを着ても許せないですよね

投影

影

また長年の、わたしに対してのあれやこれやは

もしかすると、姑自身がされてきたことだったのかもしれません

生まれつき、意地悪をしたい人がいるとは思えません

結果として、「最愛の人」を奪ったわたし

姑は、「これまで自分につらいことをした人たち」を

わたしに投影していたのかもしれません

愛されたいという欲求

ハート

息子3人のうち、長男は自分より先に亡くなり、

あとの2人の息子たちは、離婚し疎遠になりました

同じ頃、姑は病気で体の自由が効かなくなります

舅は認知症となり、姑の要求に応えられなくなっていきました

夫婦で同じ施設に入ったのですが、夫婦喧嘩ばかりになりました

姑は、よく周囲の人間に「それは無理だろう」ということをお願いするのですが

まるで自分への愛を試しているかのようでした

そして病状が悪化し、姑だけ別の施設に移ることになりました

思い出すこと

ガラス

先日、ガラスの茶器を落として、粉々に割ってしまいました

その時、姑の口癖を思い出したんです

「これでひとつ厄が落ちたのよ!」

自分やわたしが物を壊した時に、よく言っていました

姑は正直な人でしたので

適当な慰めではない、キッパリした口調に

「そうだな、良かった」と思えるのでした

姑らしくていい考えだなと思っていました

カレー

もうひとつ、思い出すことがあります

カレーを作るときです

思いっきりハーブを効かせるのが姑流でした

当時、ハーブやスパイスは売ってない時代、

ハーブティーの袋を破り、カレーに入れたりもしていました

「適当に、スパイス多めで作るのがコツ」というのですが

いつ食べてもとても美味しかった

姑のいう「適当カレー」はまだ再現できません

年齢を重ねて理解したこと

指輪

わたしも、あの頃の姑と同じ年になりました

姑が晩年「あなたと新しい関係になりたい」と言いました

新しい関係を築くにはもう時間がありませんでした

姑の複雑な気持ちを、長年わたしは思い至りませんでした

関係はいつか終わります

終わったから、感情は切り離して振り返ることができるようになったのかもしれません

「ヘタだったのはわたくし」と茨城のり子氏の詩の一文にありますが

本当にそのとおりだったなと思います

 

 

 

 

 

 

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